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TPPの問題点整理

TPPに関して私が認識していることは以下の通りです。誤解や追加認識の必要があればご教示ください。


1.TPPは条約だから国ごとの批准が必要なこと


安保法案のような国内法でも、自衛隊が後方支援に出動出来るまでは6か月の準備期間が必要で、その間に官僚が各法律間整合のための作業を行います。
TPPのような条約では各国の批准が必要なので、担当大臣が「大筋合意」などと宣伝してもそれはプロパガンダに過ぎず、これから国会と関係省庁間の駆け引きが始まります。
特にアメリカでは反対派が多く、大統領選挙も睨んでその行方は混とんとしています。
日本のように「お上が決めることには従う」国民体質の国は珍しく、カナダでもオーストラリアでも先行きは不透明です。
日本では何事もアメリカの成り行きを見て決めるので、国会での批准は何年先になるのか全く分かりません。少なくとも安保法案が閣議決定から成立まで1年ちょっとかかったのとは桁違いに、批准まで時間がかかると思われます。


2.TPPは世界経済の問題であること


TPPは太平洋をはさんだ仲間の国だけの条約ですが、当然影響は「環太平洋」に留まりません。特に中国やEU諸国からの対抗手段が激しさを増すでしょう。
さまざまな外圧にTPP諸国が日和ることも十分考えられ、日本としても外圧に抗するだけのしたたかさが求められます。


3.輸入品の値下がりには時間がかかること


TPPでは農産物などの輸入食品がすぐにでも安くなるような楽観的な報道ばかりですが、少なくとも5年~11年を経て関税撤廃になるわけですから、すぐに物価に反映されるものではありません。
かたや家計支出の元になる給料を払う側の企業は、輸入品の攻勢でどんどんジリ貧になります。
積極的にピンチをチャンスにかえれば乗り切れると、「強いものが勝つ」新自由主義の発想で、政府はさらに自由競争を進めますが、成功する企業は大企業だけでしょう。
こうして格差は増大します。
給料が減る一方で何故家計が助かるのか、理解に苦しみます。


4.ISDS条項で国家が訴訟対象になること


日本ではこの条項を「日本企業が不利益を被ればアメリカを訴えることが出来る」と喧伝しますが、実態はその逆です。今まで二国間FTA条約でISDS条項のあったアメリカとカナダ、或いはアメリカと韓国の例をとると、こうした訴訟は圧倒的にアメリカから出されており、その大多数がアメリカ企業の勝訴で終わっています。


TPPによってモンサントなどの遺伝子組み換え食品が蔓延し、混合医療解禁で医療費がはねあがり、簡保をはじめとする保険業界がアメリカ資本に蹂躙されれば、国民は健康面において衰弱し、さらにこの条項によって国家は国民を守れなくなるわけです。


アメリカ大統領選のあとにこうした世界秩序の崩壊は本格的にやってきます。その影響を受けない企業や個人はいません。


TPPは経済の安全保障の問題であり、これは長丁場の闘いです。


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