爺の時事放題~ときどき音楽

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ファシズムについて

「ファシズム」に関して少し考えてみました。


「ファシズム」とは一般に「独裁主義」「全体主義」と言われますが、Wikiによれば「結束」「結集」「束」を意味するイタリア語の「ファッショ」が語源です。


「ファシズム=悪」という概念で通る現在、この言葉は(自由主義・資本主義・民主主義などの側から)対立する独裁的・全体主義的なものを罵倒・攻撃する言葉として広く使われますが、もともと大ぴらに使われた最初は、ムッソリーニが作った「ファシスト党」でした。


では第二次大戦前のイタリアで何故、悪の象徴とも言えるこの言葉を党名にしつらえたのか。さらに当時の民衆が何故この党になびいたのか。


そういう疑問を持ちました。


当時の社会状況がそうさせたのだとも思いますが、イタリア人にとって「結束」を意味するこの言葉に対して、さほどの違和感がなかったせいだとも考えます。
これが隣国ドイツに及んでナチスが出現し、共産主義のロシアや自由主義の米英仏各国から非難を浴びますが、イタリア「ファシスト党」設立当初は、各国がそれほどの危機感を抱くような脅威ではなかったのではないかと思うのです。


「結束しよう!」と呼びかけるムッソリーニに、農業国イタリアの人々が共鳴したと想像するのはさほど難しい事ではありません。将来において「結束しないやつは非国民」という風に変質していったとしても、当時の社会では容易に受け入れられる言葉だったのかもしれません。


そしてこの「共鳴現象」は現在の日本にも見られます。


「美しい日本」「誇りある国づくり」「豊かで秩序ある社会」「家族を大切に」など、日本会議のHPに踊る綺麗なフレーズの数々になびき、選挙のたびごとに何も考えずに投票する善男善女が全国津々浦々にいますし、その大半が農林水産業を生業とする人たちだということもイタリアと似ています。


考えてみると、安倍政権の基盤政策である「三本の矢」も、毛利元就の故事に倣ったもので、ここにも「結束」の概念が含まれています。
現政権が何を考えてこの政策をこう命名したのか分かるような気もします。


現政権は当然「ファシズム」と言われることを否定しますが、いま目覚めないと取り返しのつかないことになると思うのです。


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