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安保法案賛成派/反対派のプロフィール比べ

現政権と安保法案をめぐって賛成/反対の主張を掲げる国民は、結果としての賛成/反対のような単純な二極化ではなく、メンタリティにおいて様々なプロフィールになると思います。


以下、備忘録として整理します。私見なので認識違いがあればご指摘ください。


【賛成派】


■伝統的な右翼(行動右翼)の方:
一概に右翼と一括りには出来ず、国家に対する愛国心・忠誠心が高ずるあまり、常に反体制・国家の革新を旨とする「真正右翼」と、反共・体制擁護を旨とする「行動右翼」とに分かれ、ゆえに「真正右翼」には現在の安保法案に反対の立場をとる方が多い(と聞きますが、私は右翼ではないので実態は詳しく知りません)らしいです。


■草の根保守の方:
戦前回帰をめざす日本会議を中核として、その復古主義の影響を受けている大勢の方々で、(そんな主義の自覚はなくとも)村長さんから投票や署名を頼まれればハイハイと請け合うような地方の高年齢層が多くいます。つまり、かかさず神社やお寺にお参りし、皇室と先祖を尊び、里山と土の香りの中で生きている善男善女です。
そしてこの層の方々は、表立った賛成意見は述べなくとも、それは「声なき声」なのであり、間違いなく現政権の議席数の土壌になっていると考えています。


■企業エリートの方:
小泉政権以降、新自由主義の流れの中で大企業の正社員としてキャリアを積みそこそこの所得を獲得して「勝ち組」となり、その成功体験ゆえにこの社会体制を肯定する方々にして、(自分には関係のない)格差問題や雇用問題などにはさほど言及しません。
アベノミクスの本質を知らずして、自分の生活の充足ばかりに目が向き、果ては「国の安全と平和のために日本は強くあらねばならない」という賛成論に至っています。
日本がアメリカの手先になる可能性には目をつぶるのか、又は「そんなことはない」と反論するのか知りませんが、いずれにせよこの考え方が将来「好戦論」に走る可能性なきにしもあらず。
ちなみに俗に「ネトウヨ」と言われる方々は、この層のバーチャル的活動であることが多いと言われています。 
つまり「ネトウヨ」は決して引きこもりPC三昧の落ちこぼれオタクなのではなく、デザイナーズマンションの上階に居を構えて街並みを睥睨しながら「勝ち組幻想」に浸るかと思えば、時にはお洒落なイタリアンレストランかジャズバーで上質なワインに舌鼓を打ち、同じような仲間との会話を楽しむ。それでいて1人になるとPCに向ってゲームに夢中になるかたわらSNSに過激な発言を書きこんでいる、というような人生の持ち主です。


【反対派】


■旧左翼系の方:
旧社会党、共産党などの政党員や、革マル・中核など新左翼学生運動くずれ、その影響を受けた日教組・連合など労組系団体といった反政権を標榜する方々です。
ソ連の共産主義崩壊から冷戦の終焉を経た現在、右だの左だのという対立軸が存在しなくなっているにもかかわらず社会主義的理想を追い求め、「正義」にこだわるあまり(正義などとっくに諦めた)大衆の支持を得られず、反対運動の動員力も急激に減少しています。
特に民主党政権の失敗以来、「政権もダメ、野党もダメ」という国民の根源的な政治不信を招いた責任を感じることなく、いまだに正義に依って立つ幻想を持ち続けています。


■護憲派の方:
主に憲法9条を守るということにメンタリティを置き、憲法違反の法律には断固反対する方々です。
日本が「世界でも特殊な国」であり続けることに意義を見出し、「強い国」よりも「戦争をしない国」ということに国家的価値観を持っているので、現状肯定・お花畑・一国平和主義と揶揄されています。
SEALDsやママといった方々がデモに積極的に参加するようになったのも、こうした分かりやすく与しやすい主張の賜物だと思っています。


■改憲派の方:
国の安全保障は個別的自衛権の容認に留まり、集団的自衛権は違憲とする立場から安保法案に反対しています。
しかしながら武力の保持を認めない憲法に矛盾している自衛隊の存在を明文化するための改憲には賛成という方々です。
受動的に国の防衛をしっかりとしたものにするために、自衛隊の存在を認める。
「戦争をしない国」を保つ意味においては護憲派と同じですが、専守防衛のあり方について若干色合いが違うと感じています。
※私自身はこのスタンスです。


■政権自体に反対の方:
(上記の2つとダブる面は多いですが)安保法案だけではなく、現政権の政策のほとんどに反対する方々。
その理由は、アベノミクスやトリクルダウンを「まやかし」として、金融や経済至上主義(新自由主義)は1%のための政策と断じ、かたや医療・雇用・教育・年金などの弱者対策はどんどん削減されている現実を見て、現政権にはまかせておけないという結論に至ります。
(「戦争法案」というレッテルは別として)日本の社会を戦争に近づける安保法案にももちろん反対であり、これによって格差がより拡がることに危機感を持ちながら運動に参加しています。
※私自身はこのスタンスです。


■次世代への責任を感じる方:
自分たちの世代よりも、将来の世代にこのまま引き継いではいけないという切迫感に動かされている方々。
高度成長の恩恵を受け、バブル崩壊の洗礼も受けたあと、物質的な豊かさの矛盾と限界とを感じながら生きてはいるが、この法案をはじめとしてあくまでも「強い日本」「右肩上がり」をめざす政権の行き方に疑問を持ち、来たるべき少子化・高齢化の時代にあって、子供や孫のために「身の丈に合った社会」への希望を託すに至ります。
※私自身はこのスタンスです。



以上、いくつかの類型に分類しましたが、(私自身がそうであるように)考え方がいくつかにまたがっている方も多いと思います。


重要な点は、もはや右だ左だというカテゴライズは無意味なものになっており、では対立軸が「1% vs.99%」なのか「護憲vs.改憲」なのか「保守vs.リベラル」なのか分かりませんが、時代はどんどん進んでおり、旧態依然とした論争・誹謗中傷はやめて、それらの共通項を探る意識が国民にとって、あるいは正しい民意の醸成にとって必要なのではないかと思います。



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