国会前と全国各地では、委員会採決から本会議決議のスケジュールを睨んで、深夜まで反対のコールがこだましました。おそらく家に帰らなかった人もたくさんいたでしょう。
過去数十年、一般国民がこれほど政治に関心をもって行動したことはなく、その絶叫は最後まであきらめないという熱気を孕んでいました。これは、国会での多数を背景にして、 順風満帆に法案通過を待つ人たちの気持ちとは一線を画するものだったと思います。
野球やサッカーなどのスポーツでは、ランキングや得点差でいかに劣勢にあろうと、最後まで「勝つ」ことを信じて競技し応援するわけで、それが叶わなかった時の落胆は大きなものがあります。そして次に勝つために敗因を分析し、戦略を練り直し、練習し鍛えて捲土重来を期します。
しかし、今回の法案反対行動の場合は、現実的に見て「負ける」ことがほぼ確定していた中での運動であり、ここに加わった人たちは既に心の準備は出来ており、次へのステップを見据えています。
何故自分たちの思いが通じないのか。
この法案を白紙に戻す手段とは何か。
選挙という主権の行使に向って、何をしなくてはいけないのか。
候補者のどこを見て選んだらいいのか。
考えることや実行することはたくさんあります。
民主主義と立憲主義に則り、次の世代のために日本人として出来ることをやっていかなくてはいけません。
賛成派/反対派双方にとって、平和を望むことは共通です。平和への道のりの違いを話し合い、そこからはずれようとする政権ならば、断じて許してはなりません。
一方で、野党が本気で共闘するのかどうか、見守っていく必要もあります。
現政権のおかげで政治が国民に近くなった今こそがその時です。