爺の時事放題~ときどき音楽

               音楽歴50年爺さんの言いたい放題ブログ。

安保法案が参議院で可決、成立。

国会前と全国各地では、委員会採決から本会議決議のスケジュールを睨んで、深夜まで反対のコールがこだましました。おそらく家に帰らなかった人もたくさんいたでしょう。


過去数十年、一般国民がこれほど政治に関心をもって行動したことはなく、その絶叫は最後まであきらめないという熱気を孕んでいました。これは、国会での多数を背景にして、 順風満帆に法案通過を待つ人たちの気持ちとは一線を画するものだったと思います。


野球やサッカーなどのスポーツでは、ランキングや得点差でいかに劣勢にあろうと、最後まで「勝つ」ことを信じて競技し応援するわけで、それが叶わなかった時の落胆は大きなものがあります。そして次に勝つために敗因を分析し、戦略を練り直し、練習し鍛えて捲土重来を期します。


しかし、今回の法案反対行動の場合は、現実的に見て「負ける」ことがほぼ確定していた中での運動であり、ここに加わった人たちは既に心の準備は出来ており、次へのステップを見据えています。



何故自分たちの思いが通じないのか。

この法案を白紙に戻す手段とは何か。


選挙という主権の行使に向って、何をしなくてはいけないのか。


候補者のどこを見て選んだらいいのか。


考えることや実行することはたくさんあります。


民主主義と立憲主義に則り、次の世代のために日本人として出来ることをやっていかなくてはいけません。


賛成派/反対派双方にとって、平和を望むことは共通です。平和への道のりの違いを話し合い、そこからはずれようとする政権ならば、断じて許してはなりません。


一方で、野党が本気で共闘するのかどうか、見守っていく必要もあります。


現政権のおかげで政治が国民に近くなった今こそがその時です。


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9月16日の動き

参議院では安保法案の質疑が最終局面をむかえています。


会期は9月27日までですが、19日~23日の連休をはさんでいて、それをのぞいた平日は17日、18日と24日、25日の4日間のみ。
既に参議院での議決を待たずに衆議院で再可決出来る「60日ルール」期限は14日に過ぎてしまいましたが、与党幹部は「参議院の存在を蔑にした」との批判を避ける意味でも、あくまで参議院での議決をする方針のようです。


従って、24、25日は最悪のための予備日として、連休前の18日までに参議院を通過させるつもりです。


ここまでは表向きの理由ですが、実は連休中に開かれる国連総会で安倍首相が演説するため、そこで安保法案成立を高らかに報告したいという思惑があります。


ともかく、既に形ばかりの中央公聴会を15日、地方公聴会を16日午後に行い、政府は16日夜に委員会採決⇒17日に本会議での議決をめざしているようですが、この間、国会前では「連日」数万人を集めた抗議行動が続けられており、機動隊の過剰警備で逮捕者も数人出るという(日本では)異常なことになっています。


この動きに呼応して野党(民主、維新、社民、共産、生活など)も最後の手段を模索しています。
その手段とは以下のようなものです。


・牛歩戦術:昭和の古典的な時間稼ぎ
・内閣不信任案(衆議院)、大臣問責決議案(参議院)の提出:全ての法案に優先して審議されるため、これも時間稼ぎ(欧米でのフィリバスター)
・野党議員の総辞職:国会が成立しなくなるため、総選挙となる


与党も当然内閣「信任案」で対抗することも考えているようですが、現時点(9月17日未明)では、野党の人間バリケードで議長が委員会室に入れず休憩が断続的に続き、午前3時過ぎまで与野党で揉めていた委員会は結局開催されず、朝8時過ぎに仕切り直しということになりました。


国会前では雨の中ほぼ徹夜で抗議コールが続いているようです。


こうした国民の悲鳴を連日浴びながら、残念ながら圧倒的多数の力で採決される可能性が高いですが、戦後70年経って安全保障の考え方が大転換されるかどうかの分岐点にして、ようやく目覚めた国民の政治意識がどう影響を与えるのか、あと2日間、予断を許しません。


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知性主義へ

国会前には連日「戦争法案絶対ハンタイ!」「憲法マモレ!」「アベハヤメロ!」「国民ナメンナ!」というコールがこだましています。


このコールを聞いて賛成派の方々は、「現実を見ろ」「普通の国になるのがなんで悪い」「日米安保にはこの法案が必要」などと揶揄し、あたかも反対派すべてが「躁状態にある暴徒集団」であるかのように見ていると思います。


分類好きの私は、現在の安保法案反対派を以下のように分けてみました。


1.A類
安保法案全文と憲法の関連条文を読み、さらに日米ガイドライン、アーミテージ・ナイレポート、日米安保条約までを知って、法案の曖昧な立法根拠と違憲性を判断した結果、反対している人たち。


2.B類
新聞やTVなどの報道(特に法案に批判的な報道)で知り、「戦争にまきこまれる」「徴兵制になる」「子や孫を死なせたくない」「自衛隊のリスクが高まる」というような、“将来において悪い結果をもたらすのではないか”という不安に駆られ、著名人・学者・SEALDsなどの言動に呼応してデモに参加する人たち。いわば皮膚感覚や子宮感覚からの本能的な行動だと言えます。


3.C類
なんとなく法案に反対ではあるし、選挙でもその意志をこめて投票するが、仕事や遊びに忙しくてデモには行かない人たち。


4.D類
安倍首相などの身体的特徴や出自、醜聞に関する興味だけをもって、「生理的に嫌い」と断ずる人たち。それらを指摘することが「独自の視点」だと勘違いしている傾向があります。「安倍バカ!シネ!」というような言動も特徴です。もちろん上記B類と重なる集合もあります。



こうして分類してみると、これは賛成派の方々にもそのまま当てはまるような気がします。さしずめ賛成派のB類は以下のような感じでしょうか。


2’. B類
新聞やTVなどの報道(特に法案に肯定的な報道)で知り、「中国や北朝鮮が攻撃してくる」「世界各国が法案を歓迎している」「集団的自衛権は国際法で認められる」「金だけの国際貢献は限界」というような、“将来の世界における強い日本の姿”に憧れ、抑止力としての武力貢献を主張する人たち。危機感を持つことは否定しませんが、それが国際情勢を分析した上での危機感なのかどうかは別です。



要するに両派閥の中にも温度差があり、そこには個人個人の性格も多分に影響しているのだと思っています。


願うべくは、時間が経つにつれて両派の「人口分布」が、(D類は別ですが)C類からB類、B類からA類へとシフトすることです。


もっと言えば、賛成派/反対派は現在のB類同士で対立するのではなく、双方のA類にシフトした時に、両方から対話の道が開かれるべきだと思います。


これは安保法案が採決されてもそこで終了ではなく、安倍政権が終わっても続くものであって、これが日本の「(民主的意志としての)民意」を形成し、知性主義へと導くものだと信じます。


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