爺の時事放題~ときどき音楽

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思考停止しないために

~安保法制案賛成の方のためのQ&A~


Q:国を守ることは必要じゃないの?
A::必要だと思いますが、憲法で認められる範囲においてです。 すなわち個別的自衛権です。今回の法案はその範囲を逸脱するものです。


Q:集団的自衛権を認める根拠があるんじゃないの?
A:政府は砂川事件判決を法的根拠にしているようです。しかしこの裁判の論点は「米軍の駐留の違憲性」に関するもので、最高裁では「憲法第9条は日本が主権国として持つ固有の自衛権を否定しておらず」としていますが、今回これを「集団的自衛権は認められない」と書いていないから「認められる」と曲解したもので、ここらへんに政府の四苦八苦が読み取れます。


Q:集団的自衛権は国際法ではどこの国でも認められている権利ですよ?
A:従来日本は「権利はあるが行使しない」としてきました。今回の法案はそれを大転換しています。国際法(国際条約)は憲法よりも上位だという認識ですが、憲法を優先している国も(日本の他に)あります。


Q:新三原則に従っているかぎり限定的では?
A:新三原則とは具体的にどういう場合なのかを詳しく議論しようとしても、政府答弁は「総合的に判断する」で終わります。これでは時の政権にすべてをゆだねることになり、憲法はどんどん蔑になっていきます。


Q:日本がいくら戦争しないつもりでも、攻められる可能性はあるでしょ?
A:尖閣問題や北朝鮮のミサイル攻撃は個別的自衛権で対応出来ます。しかし安倍首相は「日本に対する攻撃の意図が明確である場合にも、存立危機と判断して攻撃出来る」と言っています。これでは世界のどこでも戦争を仕掛けられます。イラク戦争でのブッシュ大統領のように。


Q:ホルムズ海峡で原油が止まれば、北海道の人は凍え死ぬよ?
A:原油以外のエネルギーを輸入する手もありますし、原油の備蓄は半年分あるので、その間に春が来ますから凍え死にません。


Q:「後方支援」だけなら直接戦闘に参加するわけじゃないでしょ?
A:相手にとっては補給部隊を攻めるのが戦術の鉄則です。自衛隊のリスクも高まり、反撃で無辜の市民を殺傷する可能性も高まります。 しかも自衛隊は「軍」ではないので、捕まっても捕虜待遇を受けられず、殺傷しても「個人」として裁かれます。



「国を防衛するのは当然」という時点で思考停止しないようにしいたいものです。

安保法制案が委員会通過

安保法制案は衆議院特別委員会で、与党だけの採決で通過した。


採決に維新が加わらなかったのは与党にとって誤算だったのかも知れないが、いくつかの関門のひとつが民主主義のルール無視の暴挙によって突破されたわけだ。


しかし関門はこれだけではない。 明日の本会議採決は「党議拘束」がかかるのかどうか知らないが、 そのあとも参議院、否決されれば再度衆議院がある。 このあまりにも長い期間中に何か想定外の事件が起こらないとも限らない。事態は日々刻々と変化している。


小沢一郎氏は7月13日の定例会見で、「不信任案を提出すれば1週間や10日はかかる」「不信任案の説明時間には制限がない(アメリカのフィリバスター?)」と言っていた。この「戦略的アドバイス」に野党はどう反応するのか。


また労組の間でスト権決議が始まっている。最終的に目指すのは(昔懐かしい)ゼネストかもしれない。
8月に向けても老若男女問わず全国で反対集会が開かれるだろう。事実今日から3日間連続で若者のグループSEALDsによる国会前抗議が開かれ、初日はこれまで最多の7万人が集まったそうだ。


内閣支持率もさらに低下する。「解散出来ない」ほどに低下させれば、首相の選択肢の幅は狭くなるだろう。 
時間はかかるだろうが、1000人の学者による違憲訴訟もされるようだ。



さて、国民の主権者たる権利は選挙権だが、選挙で意志を示すことは政治参加の責任でもある。 
しかし逆に「選挙に行っていればいいでしょ」「あとは政治家にまかせていればいい」という人も多いのではないか。 
残念ながら今の政治家には、国の舵取りをまかせられる人はほとんどいない。 


選挙以外でも政治に参加出来る機会はあるし、国の将来に関わる重大事が起こっている今がその機会だと考える。自分に出来る機会をとらえて参加することは主権者の責任だ。 


デモや集会の現場に行く。 
がんばってシュプレヒコールなどあげなくてもいい。 
参加出来ない人はSNSなどで発信や署名する。 
ネットにつながっていない人は電話で抗議する。 


仕事や遊びの合間に出来ることはたくさんある。 
やるかやらないかは国民個人の意志次第だ。

政権の翳り

安倍政権に翳りが見えている。直近の3つの報道がそれを暗示している。


■1つは週刊現代7月4日号

6月1日に高級中華料理店「赤坂飯店」で、新聞社編集キャップを集めて開かれた「オフ懇」の様子が詳細に明かされたのだ。その中で首相はさんざん自説を披露し、「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの。だから、やる(法案を通す)と言ったらやる」とも言ったという。

こうしたオフレコ発言が漏れるということは、今まで首相とマスコミトップとの会食癒着を忸怩たる思いで見ていた編集サイドの中に、「時の空気」を読む記者が出てきたということではないか。つまり、政権の劣勢を察知して「今ならやれる」との確信を得て週刊誌にリークしたのだろう。
これは学者の違憲表明以来、世論調査の数字などにも表れた社会全体の動きを図ってのことだと考える。


■もう1つは6月25日の朝日新聞
安倍晋三首相に近い若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」初会合で、「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」など、政府による報道規制の必要を国会議員が公然と口にしたという。

これも会合に出席した「誰か」からのリークだが、こうしたネタを朝日が書くという事実にも、マスコミ側の鬱積した憤りが「今ならやれる」と表面化した結果ではないか。


■更に、これに輪をかける動きが「ポスト安倍占い」記事。
週刊ポスト7月3日号には、政治家OB、政治部記者など37人へのアンケート調査として、様々な憶測が並ぶ。
こうした記事が出るのはいつも、政権内部にくすぶる火種である場合が多い。要するに自民党の中に首相を揺さぶりたい勢力がいる証拠だ。

これも、今までは報復が怖くて言えなかった連中がうごめいてきたのだろう。


安保法制とは直接関係はないものの、6月23日沖縄終戦70年の慰霊式典で首相が「帰れ!」コールを浴びるという前代未聞の出来事もあった。

6月24日の国会前抗議行動には30,000人(主催者発表)が集まり、今までスルーしたNHKのニュースでも取り上げられた。


世論とマスコミ、この両輪が勢いを吹き返してきたような気がしている。


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